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不動産取引の知識detail

知識9〜12

9.登記済証や登記識別情報を紛失している売買・贈与について
  不動産の売買・贈与により所有権を買主(受贈者)へ所有権移転登記をするには、俗に言う権利証(登記済証又は登記識別情報)が必要になります。しかし、昔に登記した不動産では、それらの書類を紛失していることもあります。この場合、どうすればよいでしょうか?

 この場合には、通常の登記とは違うやり方が用意してあります。2つのやり方があるのですが、ここでは私のおすすめのやり方をご紹介します。


 事前通知制度というやり方です。これは、通常と同じように登記申請を行い、申請後に法務局の登記官が郵送により売主(贈与者)の売買・贈与の意思確認をするやり方です。

 権利証がないわけですから、本当に売主(贈与者)は所有権移転をしてもいいのか、役所も不安なので確認作業hが入るということです。この確認に少々時間がかかりますが、権利証がなくても売買・贈与は問題なくできます。

10. 農地の売買・贈与について
  土地というのは、用途に従い地目というものが決められています。この地目のなかで田、畑になっているものを農地といい、この地目の場合は、土地の売買において農地特有の手続きが必要になります。地目が農地になっていれば現況が更地であったり、明らかに田畑でない場合でも登記申請の前提として、農地特有の手続きが必要になります。
 この地目については、登記簿の地目の欄を確認すればわかります。つまり個人間売買において登記簿を確認する際は地目が田、畑になってないかを見ておくことは重要です。
地目が宅地等になっていれば問題なく、売買、登記申請に移ることができます。

 では、農地の場合、どのような手続きが必要になるのかと言うと、簡単に説明してしまうと、農地になっている地目を変更、厳密に言えば農地を転用(使用方法の変更・売買等)する場合は知事又は指定市区町村の長の許可をもらう必要があります。
指定市区町村とは農林水産大臣が指定する市区町村のことをいいます。
この許可を受けることにより、登記申請が行えるようになり、名義変更も行うことができます。許可制ですので当然不許可もあり不許可の場合は、その土地の売買を行うことが出来なくなります。
 上記のように農地を売買して登記を行う場合には許可が必要になります。この許可を受けないと登記を行うことはできません。仮に登記をしないで勝手に売買をして宅地化したりしてしまうと、その後に許可申請を改めて申請する場合に許可機関の心証を悪くし、不許可の原因となりますので、農地を売買する場合は必ず許可をもらっておく必要があると言えます。そういったことを含めて個人間売買においては農地かどうかの確認は必須です。

11.個人・親族間の賃貸借契約について 
  個人や知人・親族間に不動産を貸してあげることもあるかと思います。その際、口約束だけということも珍しくないと思います。
 多くの場合、関係性が良好であると考えますので、口約束でも問題になることはあまりないかもしれません。

 しかし、人間関係というものはいつ壊れるかわからないものです。そのときに賃貸借契約書等で取り決めをしていないとトラブルになることがあります。

 賃貸借契約書とはお互いがトラブルになったら、このような処理をしようということを事前に取り決めをするという意味合いもあるため、契約書があればそれに基づいて手続きが進められますが、口約束だけで何もないと双方が言った言わないの喧嘩になることも珍しくありません。

 よって、近しい間柄でも、不動産はトラブルになりやすいということも念頭において、簡易的でもよいので、必ず、賃貸借契約書を作成されることをお勧めします。

12.個人と法人間の売買・贈与について 
  個人と法人(株式会社等)とで、不動産の売買・贈与を行うこともあると思います。手続きのやり方は、個人間とほぼ同じです。会社法人等番号が必要になりますけどね。特に難しいことはないのですが、1つ気をつけたいことが、法人の代表取締役とその法人が不動産の売買・贈与するときは、「利益相反取引」に該当します。

 そのため、法人の代表取締役とその法人が取引をするためには、株主総会又は取締役会の承認を得なければならないということになります。

そして、その承認がなければ、名義を変える登記はできませんので、注意する必要があります。